深圳(Shenzhen)

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3日目(2008.4.28)

ラーメン

 この日は香港に移動する以外には特にイベントがないので、かなり寝ることができた。スッキリ。

 11:00、ロビーに集合。
 せっかくなので、中国の庶民の生活を味わってみようと、近くの大衆食堂を探す。
 とはいえ、「世界一粉」とか書いた、よくわからんモノ食って腹壊すわけにはいかない。だいたい、世界一の粉ってなんなんだよ。ランニングシャツの男が暗赤色の熱くて臭そうなスープ料理を啜っている。うぅう・・・絶対無理。
 と、マトモな店を探していると、表通りの方からデモのような大声が聞こえてくる。またファミコンウォーズでも発売になったのか? と思ったら、我々が歩いて来た道に入ってきた。黒い服来た若者の軍団である。僅かながら女性も混じり、大声で歌って走っている。こんなところにもロッテファンがいるんですな。

 少しマトモな食堂に入る。俺以外の者はみんなラーメンを食べたがっている。俺は逆に中華以外の物が食べてみたいね。
 メニュー表を見る。中国の飯屋では基本的に見本とか写真は存在しないので、メニューの漢字が頼りとなる。皆は「麺」という文字に惹かれ、俺は「仏蘭西」という文字に惹かれた。

 注文。やたら若い店員に「仏蘭西」なんだかを注文したが、どうもさらに何か選択肢が提示されているらしい。
 面倒臭くなったので「As you like」(お前の好きにして)と言ったのがいけない。

 哎呀(アイヤー)!」と叫んで逃げ出す彼女。

 英語が通じないワリに「You」と「like」は知っているらしく、誤解されて伝わっている。大笑い。本当に「アイヤー!」って言うんだな。

 なんだか解読不能な流れになってきたので、「仏蘭西」は諦めて、誰かが頼んだメニューが通じたらそれに乗っかることにした。

 みんな注文が終わり、しばらくして出てきた商品を見てノケ反る。ラーメンかと思ったら全部、米粉(ビーフン)
 まぁ、俺はラーメンというものは日本ってゆーか、小樽の竹谷食堂が発明したと思っているので、中国に無くても当然と思ってるんだけど。
 とにかく、小麦じゃなくて米なのよ。食感が違うじゃん。もちろん、スープになんて浸かってない。スープに浸かったものは湯麺系を選ばなければならなかったようだ。まぁ、湯麺にしたところで、小麦の保証はないけどな。

 俺個人はビーフンという類の料理はあまり好きではないが、それでも空腹だったので食べられた。みんな牛肉系の料理がかかっているんだが、これが激ウマ。日本では滅多にこの類のものは食べられない。「食は中国に有り」とはよく言ったもので、とにかくいろんな味覚を開発したい人は、このような猥雑な街の片隅にある店で食べてみるコトを勧める。胃腸の強弱はあまり関係ない。俺は胃腸が弱く、すぐ下してしまうので、用心に正露丸を用意して行ったけどまったく使わずに済んだ。
 結局、途中で満腹になって、俺は少し残してしまった。他の4人は完食したが、同様に満腹で苦しい様子。とりあえずホテルに戻る。

G'bye,Shenzhen

 12:00頃ホテルに戻り、各々部屋で休憩してから、13:00チェックアウト。昨日のコンドーム15元が僅かな額とはいえ実にもったいない。その後、ロビーで竹村とその家族に合流。

 ここで竹村の母君から、
 「わざわざ日本から参加してもらって多額の費用をかけさせて申し訳ない」
 「詫びに飯でも奢らせて」

とのお申し出有り。
 今食ってきたばかりで満腹だが・・・無碍に断るのも却って気の毒だし、同席させてもらいドリンクだけご馳走に。

 ドリンクを頼んで一安心していると、昨日、みんなの分を預かった結婚式の引き出物を忘れてきたことに気づいた(ってゆーか、気づかされた)。大失態ザマス。
 贈り主である新郎に通訳を頼み、ホテルのカウンターへ。通訳というより事情を説明してくれている彼。俺、いなくてもいいな。
 あぁあ、実に申し訳ない気持ちでいっぱいである。

 引き出物が無事に手元に戻り、香港へ向け出発。竹村夫妻2名、竹村家族6名、我々5名の計13名で移動する。
 まずはホテルから羅湖(Lowu)へタクシーで。相変わらず何人も轢きそうで実にスリルがある。かなりの距離乗った気がするが40元(約600円)弱だった。
 14:30頃、羅湖に到着、イミグレに。

香港到着

 イミグレ通過後は、KCR鉄道とMTF地下鉄で九龍(Kowloon)地区へ。かなり時間がかかった。地下鉄を降りたら16:00を過ぎていたと思う。
 ここで一旦、竹村のご家族とは別れ、まずは我々の泊まるラマダホテルへ。

 地下鉄駅から歩いて一区画だというので歩く。10分少々歩いてホテルに到着。荷物を置いてすぐにロビーに集合。香港ツアー開始。

 途中、怪しげな雑居ビルに入ると、すぐに客引きが寄って来る。

 「社長、ニセモノ。シャーチョー」。

 ニセブランド品を買わないか、と呼びかけてくるのだ。偽物を正直に偽物と言って需要があるのかと思ったら、かなり需要があるらしい。
 まず第一にネタとして土産に買うもの。
 第二に一見本物に見えるので見栄を張るために自分用に買うもの。
 第三としては、本物と偽って他人に売るために買うもの。

 俺はここでスーツケースを購入した。バッグ1つで中国に来たのだが、荷物が減るどころか増える一方で土産物を買うと入らなくなる可能性があるうえに、とにかく重い。95ドル(1500円弱)の値札がついている。日本で買ったら数千円はする。安いッ! と即購入の意思を示す。
 ここで竹村が「もっと値切れるよ」と言う。竹村の奥さんが「もっと負けてよ」みたいなことを言ったようだが、断られた。竹村はまだ交渉の余地がありそうだったが、元が安いだけに芝居してまで値切りたくはないし、仮に交渉決裂して他の店でも大して変わらない価格だったらこちらの精神的ダメージがでかいので、さっさと100ドル札を渡してしまう。

 雑居ビルを出て街に。高級ブランドの店が並んでいるが、ちょっと路地に入るとしょーもないものばかり。簡単に言うと、PRADAの店の裏で電動コケシが剥き出しで売っている。
 正直、ここまでヒドイと深圳(Shenzhen)の方がマシかな(中国では官憲がうるさいので表立ってはエロ物は売っていない)。とにかく、女性ならブランド店に入ってみたいのかもだけど、我々は興味ないし、エロ物にも用はない。見て終わり。
 ただ、会社への土産物が必要となった。竹村曰く「あんまり美味いものはないよ」と。
 それでも、(俺が食うわけじゃないんで)安くて数が入っていればいいんだなどと探していると、お誂え向きに、日本人向けと思われる土産物屋を発見。とにかく「安くて個数の多いもの」を探す。日本の温泉地の土産物屋にはそーゆーのたくさんあるけど、ここにはあまりない。なんとか18個入り40ドルくらいのを発見。宮島クンと雅夫も「これにする!」と争奪戦。
 宮島クンが独りでたくさん買ったので、雅夫と俺は1個しか取れなかった。でも店員に「Once more」と言ったら奥から出してきた。雅夫は英語がしゃべれないモジ男クンなので1個しか買えず別のモノも買っていた。かわいそうに。

夕食

 各々荷物が徐々に増えてきたところで、竹村家族との夕食会に臨む。
 19:00(現地時間18:00)、竹村家族が泊まっているホテルのロビーに到着。
 昼食後からずっと動きっ放しなので各人、疲労の色が隠せない。しばらくして全員揃ったが、ここで問題が発生。

 なんと、食事を予定していたこのホテルのレストランが改装中で閉まっているというのである。
 計13人が一緒に食事できる店を今から探すのは難しい気もしたが、新郎新婦は頑張って探しに出かけた。我々は・・・ロビーで待ちぼうけである。

 30分程度して、レストランが見つかったらしく移動開始。
 ついたビルはなかなか洒落たカンジのビルで、何個もレストランがある。竹村の奥さんの希望で「宮廷○○○」と書かれた、要は中華レストランになる。

 9階の眺めのよい、広く洒落たレストラン。窓からはビクトリア湾が見える。他に客はほとんどいない。12人(竹村の妹さんは来なかった)で円卓を囲み、食事。
 竹村が気を使って、披露宴の料理とかぶらないように努めて注文してくれたおかげで、非常においしく食べられた。

 ただ、冷房効き過ぎ。竹村を除く皆が震え上がるくらい寒い。特に竹村の奥さんと母君は辛そう。
 当の竹村は「寒い? 香港人は外は激暑、中は冷房効かせるのに慣れているから全然大丈夫なんだよねー。俺もそう。寒い? アハハ」と特に心配してない様子なので一安心か(?)。
 まぁ、同情したところで対処法もないし、俺自身はビール飲んだらだんだん暖かくなってきたし・・・心が痛みますな。

夜景ツアー

 21:00、ビクトリア湾から対岸を眺める夜景ツアーに出る。
 噂には聞いていたが、圧倒的な存在感の夜景。なんか悪の帝国というか、宇宙戦艦ヤマトに出てきた白色彗星を彷彿とさせるじゃないか。それがこちらの音楽に同期して照明が変化する仕組みである。
 とにかくすごい観光客の数。日本人も相当いる。みんな写真を撮っている。

 なお、夜景撮影にフラッシュは禁物というのはガセビアである。逆に、特に夜景をバックに人物を撮るならフラッシュは必須。フラッシュの有効射程などせいぜい3~5mで街の灯を消すことなどありえない。

 30分ほど撮影して竹村のご家族とは別れ、更なるツアーに繰り出す。まずはビクトリア湾を横断する船に乗船。
 悪の帝国に乗り込むと・・・スカイウォークとか言うのか知らないが、各ビルが空中歩道でつながっており、雨に濡れず各ビルを移動できるようになっている。そのうち、クルマも透明パイプの中走るようになるんじゃないのかこの街は。とにかくセレブが住む街というのがわかりますな。

 香港の数々の便利な仕組みが、税で賄われているのか寄付によるものなのかわかりませんが、とにかく莫大な資金が日本とも比べ物にならないほどの密度で社会資本に注ぎ込まれているのが解ります。
 そして、狭いと思われがちな香港ですが、未だに開発工事が行なわれ、景気も良さそうです。これからもまだまだ発展する余地がありそうです。恐ろしい。

 有名な2階建電車に乗り、巨大ビルの街を去ります。有名な2階建電車と書きましたが、香港では2階建以外の電車やバスは見かけません。おそらく平屋建バスは禁止なのでしょう。

 船にしろ、2階建電車にしろ、料金は2ドル(30円)程度です。香港は鉄道以外の公共交通機関はやたらに安いです。
 もちろんオクトパスカードが使えます。ぜひ乗りましょう。

 電車に揺られ地下鉄に乗り換え、着いたのは旺角(MongKok)というところ。露店がたくさん。もう23:00過ぎて疲労困憊だが、最後の力を振り絞って個々人突撃。

 激混み。スリに要注意。とにかくTシャツは安い。5枚1セットで100ドル(1,500円弱程度)くらい。逆に新型オモチャは高い。西洋人が小型ラジコンヘリに興味を示していましたが、日本より高い。もっともモノによっては値札の半額以下まで値切れるそう。俺はある品物で値札125ドルを70ドルに値切って得した気分だったが、後で聞いたところによると50ドル以下、うまく行けば35ドルくらいまで値切れるとのことだった。やられたわい。

 吉田は時計を5個も買っていた。月曜はブルガリ、火曜はグッチ、水曜はロレックス、木曜はカシオ、金曜は毛沢東だったかな(ちなみに、毛沢東はぜんまい式だけど偽物じゃない)。なお、5個で100ドル。一緒にいた竹村の奥さんによると腕時計は深圳(Shenzhen)の10倍くらいの相場らしいが、我々はもう戻れないのでしょうがない。

 各々、買い物を済ませて集合、地下鉄で九龍に戻り、一区画歩いてホテルに到着。
 深圳のホテルのチェックアウト以来、夕食時以外は常に移動しっぱなしなので、足が痛い。按摩してほしいが、香港の按摩は日本並みの料金がかかります。断念。

 ホテルに着いて。
 さて、お別れです。俺・吉田・小野君は明日の早朝、この地を離れなければなりません。もう24:00を回っています。ロビーで最後の名残を惜しみつつエレベーターで部屋に戻ります。なんだかあっとゆー間だったなー。感慨に耽りながら部屋に入ります。

 隣の部屋の吉田が荷造りするゴソゴソという音が聞こえてきます。ふー・・・という息遣いまで聞こえます。どんだけ壁薄いねん。
 しかも、部屋に置いてあるネット接続の案内、インターネットワタヤスって何やねんな?

 なお、このラマダホテルは、1泊9,000円くらいと聞かされていましたが、チェックイン時に1200ドル(18,000円弱)かかりました。宿泊費980ドル+デポジット220ドルだそうな。チェックアウトで220ドル帰ってくるかと思ってたら、10%サービス料、3%ルームチャージだそうで国際電話76ドルを合わせると16ドルしか返ってこなかった。サービス料って、部屋に入ったら置いてあったフルーツのコトか? こんなホテルに18,000円もかかるなんて信じられん。
 吉田は枕元にチップを置いてきたらしいけど、俺は置いてこなかった。単に忘れただけだけど、サービス料取るならチップは要らんでしょ。

 なお、竹村の母君から事前に「すみませんねぇ」と600ドル頂いてたので、自己負担は約600ドル(9,000円程度)で済んだ。

 とにかく香港は、価格は日本並かそれ以上ですが、サービスは日本に遥かに劣ります。深圳もそうですがCSという概念がありません。
 残念ながら俺は虚飾の多いこの街が好きになれませんでした。

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