深圳(Shenzhen)

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2日目(2008.4.27)

儀式

 7:00起床(現地時間6:00)。3時間しか寝てない。
 今日は竹村の結婚式で、そのための儀式が朝からあるのだ。

 8:00、ホテルに竹村の会社の後輩が迎えに来てくれた。彼らの案内でタクシーに乗り込み、竹村のマンションへ向かう。

 儀式というのは、新郎が花嫁を迎えに行くもの。日本にも地方によってはあるみたい。今回は車6台で彼女の村に乗り込んでいく。

 既に竹村は新郎衣装。新郎というよりは宴会マジシャンという気もするけど。少しズボン短いし。それに金ベルトも太すぎ。

 そして、クルマは飾りつけの真っ最中。新郎新婦の乗る車はレンタルしたBMW。ほのぼのとしたかわいい飾り。ボンネットに飾ってる人形が運転の支障にならないか、または倒れたりしないかが心配材料。他の車にも控えめに小さい花を飾る。日本でもこーゆーのあってもいいかもね。
 そして、どの車にもキョンシーのお札みたいなデザインで「百年好合」という札が貼ってある。一青窈「ハナミズキ」の「(キミと好きな人が)100年続きますように」みたいな意味か。日本語や英語ではすぐに「永遠」と言いたがるところが、中華圏では「百年」という表現なのかも。

 儀式は9:00(現地時間8:00)から始まる予定なので、15分前には出発したいところだが、なかなか飾りつけが終わらない。心配してたら花嫁側から電話。向こうも準備が整っていないらしく、少し出発を遅らせろ、との指示。
 しかも、その後、竹村の家族が行方不明になったとのニュースが。どーなっとんじゃい。

 9:00過ぎ、花嫁の村へ出発開始。先導車の次に新郎のBMW、その次に俺の乗った車以下4台が連なる。運転は非常にソフトでゆっくり。危ないのでハザードをつけて走ります。
 飾りつけられたクルマが6台、パレードのようにゆっくりと走るので、街行く人々も何事かとこちらを見ている(ってゆーか、飾りつけの時も野次馬がいた)。大変なセレブの結婚式みたいな気がしてきた。道の真ん中に佇む哀れな乞食も寄ってくる。

 9:30頃、花嫁の住む村に到着。ここは北京語とも広東語とも違う、独特の発音言語を有する村で、中国赴任歴の長い竹村も一切彼らの言葉がわからないそうです。
 たった15分ちょいしか離れていないのに独自の言語が残っているということは、人々の結びつきが強く、深圳の街中まで行かずとも十分暮らして行けた、ということなのでしょう。

 すごい人の数の中をゆっくり車列が坂を登って行く。さすがに今回はクラクションは極力使用しない。
 花嫁の実家の近くに車を停め、降りた。この地にこんなに大勢の(15人くらいですが)日本人が来たことはおそらく初めてだろう、と竹村は言う。みんなこちらを遠巻きに見ている。確かに、長閑な村に突然降り立ったマフィアみたいなカンジな気もする。

 ちなみに、深圳(Shenzhen)に着てから、ホテルマンを除けば、我々以外にネクタイをした人間を1人も見ていません。いくら土日とはいえ、人口1,200万人の街ですべての人間が休んでいるわけではないので、単純にこの地方ではネクタイやスーツというものは商慣習上、使用されないと考えてよさそうです。

 花嫁の姉がまるで「私は、結婚式を4回やってるのよ!」と言わんばかりに仕切っている。数分後、アパートへの路地を進むことが許された。

 アパートの玄関につくと、玄関が閉まっている。玄関の向こう側には花嫁の友人の女性が数人詰めており、花婿の竹村に無理難題を言っている。どうもこれをクリアしないと花嫁には会えない様子。楽しい儀式ですな。

 しばらく弄られたあと、花嫁の家の玄関まで到達。当然、ここも封鎖されており、同様なやりとりが。中国の結婚は完全に女性優位にできている。

 なんとかクリアし家に入ることが許された。しかし、まだ花嫁には会えません。花嫁は自室に閉じこもっています。「愛してると言って」「英語で言って!」などと何度もダダをこねる。ここで十分な熱意が届かないと結婚できないので、儀式とはいえ、竹村も必死。「結婚してくれ! キミのことが好きなんだ!」と言ったかどうかわからんが(中国語のため)、華やかな歓声に包まれながら、花嫁の部屋の扉が開き、やっとご対面。

 そして最後の試練。
 「靴がないのでこの部屋から出られない」と花嫁は言います。この部屋のどこかに隠されている靴を探し出す必要がある。1つは発見したが、もう1つがなかなか見つからない。情けないぞ竹村。花嫁も焦れている。「手伝ってくれ」と頼まれたが、彼女の友人たちが先に入っており狭くて入れない。やむなく彼女の友人たちから助け舟が出され、めでたく靴を発見し、花嫁を居間に連れ出すことができた。

 新郎新婦が新婦の父母にお茶を出します。質素ですが心のこもった良い習慣だと思います。我々も見届けたとばかりにお茶をいただきます。温かい気持ちになります。やはり茶というものは洋の東西を問わずいいものですね。

 新婦を車に乗せ、竹村のマンションへ戻ります。竹村のマンションには行方不明になっていた彼の家族がいました。ここで家族へのご挨拶。これで儀式は終了です。

飲茶2

 儀式が終わって11:00。12:30から新郎主催の飲茶会だが、ちょっと間があるので徒歩で散歩。
 近くには美術館があり、その周りには模倣画の店がたくさん。違法な品ではなく日本から買いに来る人も多く、また、近年、中国は絵画ブームなので、自室装飾用としても需要があるようだ。
 とはいえ、でかいものなので、我々の中で買う人はいなかった。先ほどの儀式まで写真をとったりムービーを取ってSDカードの容量が足りなくなった者がいたので、近くのWallMartに買い物に行く。

 電化製品の値段は、人件費や食料品とは違って、日本と変わるものではありませんでした。
 日本の電化製品も内部はかなりの部分が中国製ですから、輸送コストを除けば原価はそれほど変わりません。豊かになったとはいえ、中国の工場労働者が気楽にデジカメを買えるわけではないようで、まだまだ日本との経済格差はあるというのが実感です。

 12:30、近くのホテルに移動し、飲茶。円卓が3つ。25人くらいのパーティ。既に竹村の同僚や花嫁の友人たちは席についていた。

 ここも竹村の奢りなので、個人的には食べ飲み放題のつもりでやってると、常識人の吉田に「お前、まだ食うのか?」と窘められた。それでも止まらないけど。

 とにかく食べまくって満腹になった頃、竹村から意外な言葉が。
 「あのー、ここ1,500元(22,000円くらい)分注文しないといけないのよ。まだ800元(12,000円くらい)しかかかってないんで、もっとじゃんじゃん注文してくんない?」・・・勘弁してください。それにしても25人くらいが食べ飲みしまくって全部で12,000円とは・・・。

 その後は、カラオケ大会の予定だったんだけど・・・中国のコがどんな歌うたうのか楽しみだったんですが、カラオケの機械が調子悪く、日本人はお開き。どうもこの後は新婦の友人達と遊ぶらしい。我々はまた時間が余ってしまった。

按摩2

 さて、15:30。披露宴は19:00(現地時間18:00)なので、まだ3時間半ある。
 みんな睡眠不足なので、竹村の会社の後輩にタクシーを手配してもらい、ホテルに戻って寝る。

 ホテルのそばまで来るとまた渋滞。すると、タクシーはクラクションを鳴らしながら歩道を走行。日本だと考えられないが、深圳(Shenzhen)は車優先社会です。なにせ歩道に車線があるくらいだから。もっともクラクション鳴らしたって、歩行者は大して避けたりしないけど。

 ホテルに着き、そのまま寝ても良かったのだが、ついつい、また按摩というものが閃いてしまった。ホテルの4階にあるというので直行。なんと70分28元(約420円)。バカ安ッ!
 入ってみると、「おぉ!」という声。振り向いて見ると、ちゃっかり小野クンが来てマッサージを受けていた。侮りがたし。
 安いとは言え、ここはチップが必要。昨日のお姉さんより上手だった気がしたので、20元払ったので、合計負担額は昨日の最高級個室マッサージと変わらず。
 ちなみに、小野クンは35元のコースでしたけど・・・どこがどう違うのかよくわかりません。本人もちょっと後悔してたみたい。

シャワー

 部屋に戻ってシャワー。
 洗面台を見ると、オシャレな入浴剤がある。旅の疲れを少しでも取るには、よい香りに包まれてみるのも良さそう。気が利くじゃないか・・・。
 浴槽に泡が立ち、花の香りが立ち込めた。バブルソープ以外にもう一包み。石鹸かと思って開けてみるとコンドーム!! しかもよく見ると別料金(15元)!

 自分のアホさ加減にゲンナリして1時間ちょいフテ寝してると・・・部屋の電話が。「お前、何やってんのよ、もう集合してるぞ!」と吉田の声。やっべー、寝過ごしたか。急いでスーツを着直し、ロビーへ。
 しかし、確かに5人集合していますが迎えは来ていない。吉田のヤツめ、本当に大袈裟なんだから・・・。

 5人でしばらく待っていると、竹村の会社の日本人女性が現れ、「すみません・・・もうしばらく待っていてください」と。この人は俺たちが見た唯一の日本人女性。パンツスーツの似合う、サバサバしてそうなカッコいい女性です。
 18:45、少し日本語のできる中国人の女性が迎えにきた。花嫁の弟(以下、義弟)が運転するクルマとの2台で披露宴会場に向かう。開宴は19:00予定なので絶対に間に合わないが、しょうがない。

披露宴

 俺は義弟が運転する車に乗りました。ちなみにこの車の所有者は新郎の竹村(無免許)。そして、当然、義弟も運転は荒い。マナーゼロ。運転中のケータイも当たり前。そして極めつけは・・・会場のホテル前で起きました。

 その日、会場のホテルは他にも結婚式があるらしく、何台もホテル駐車場に入る車が。我々の車は左折(中国は右側通行)で駐車場に入るが、もう何回も書いてきたとおり、中国人にマナーなんてものはなく、少しでも隙があれば車の頭を突っ込む。駐車場入口は1台づつしか入れないのに、右車線からも左車線からも2列になって左折進入。我々の後ろも当然大渋滞。一部の車は例によって歩道に乗り上げて左折待ちのクルマを越えて行くが、左車線の直進車はもうどうしようもない。対向車線からもクラクションを鳴らされるが、もう引くに引けない(引く気もない)。対向車線は全面的に通行止。クラクションの嵐だが、もうどうしようもないし、ホテルの駐車場スタッフもまったく整理する気なし。

 まぁ、なんとかホテルにつきましたわ。19:30、開宴。
 正直な話、披露宴自体はあまり日本の結婚式と違和感はなかった(理由は後述)。違った点としては、ホテルは会場を貸し料理を出すだけで、司会とか照明は一切やらないので、すべて竹村の会社の後輩が行う。大変ですのぅ。

 そして、一番違ったのは・・・これは、結婚式のみならず中国女性の性質なのでしょうが、とにかく中国女性は「自分が好き!」ということ。披露宴入口に飾ってあった2人の写真。ポートレイトと言ってしまえばそれっきりですが、とにかく自分を幻想的美人な写真にして飾りたい様子。そして、披露宴の最中、2人の生い立ちや愛の軌跡が紹介されるが、このような場合、日本では写真、いうなれば静止画のスライドを用いて紹介するところをこちらは動画。もちろん、幻想的な風景。竹村には似会わなすぎて日本人の席からは大笑いが起こった。吹雪の中、抱き合う二人。深圳のどこに雪が降るかっつーの。砂浜を駆け出し愛の歓びに高くジャンプする竹村。あんなキレイなビーチが深圳のどこにあるかっつーの。

 実は、今回の結婚式は竹村のプランニングでかなり日本式に近づけているので違和感がなかったのである。本来、中国の披露宴は、例えば終りも明確な終りはなく、食い終わって腹一杯になった者から順々にいつの間にかいなくなる流れ解散が普通らしい
 当然、花嫁からの、育ててくれた両親への涙ながらの挨拶なんてものはなく、今回の結婚式は現地の中国人にとって衝撃的なものだったらしい。おそらく、あと数年もすればこの日本風の結婚式が華南でもスタンダードになると俺は確信している。我々は新たな日中友好の歴史を開いたのだ。

 ケーキ入刀。
 ホテルのスタッフ、ケーキに無事、入刀してるのに笑顔で離れない。まるで3人で入刀したみたい。ってゆーか、写真撮るのに邪魔じゃん。早くどいて(新郎の竹村が「どけ」と言ったらしい)。

 ブーケ。
 恥ずかしがりなのか独身女性があまり集まらなかったせいで、独身男性も集まった。このまま合コンやるって手もあるな。日本でもやってみたらいいのに。
 なお、ブーケは高く投げすぎて照明に当たり、垂直落下。で、白いワンピ来た、花嫁の親友が受け取った。ちなみに、このコ、花嫁の付添人であり、日中二ヶ国語で親友挨拶かますし、この披露宴の陰の主役と言って過言ではないと思う。(この後、このコと一悶着あります)

 乾杯。
 日本の乾杯に相当するものは飲み物が入ったグラスで机をドンと叩くもので、中国では「乾杯」と言った場合は一気呑みのコト。司会が「これから新郎新婦が皆様一人づつと乾杯に回ります」と言ったので、俺は内心焦った。絶対死んじゃうと。結局は1席毎に乾杯でしたが、これでもかなりキツかったらしい。

 22:00頃、披露宴終了。
 引き出物は、お香のような匂いのする扇子。
 余りを我々にくれるというので、箱に詰めておいたら、白いワンピ来た陰の主役のコが、我々の箱を開けて一本攫って行きやがる。
 すかさず宮島クンが「泥棒!」と叫ぶ。「いや、彼女も悪気はなかったんだろう、何てコト言うんだ」と焦り、「おい、彼女、日本語判るんだぞ」と宮島クンに言ったら、彼女から「ワカリマスヨ」と怒って睨まれた。宮島クン曰く「あの程度の冗談が判らないでは、彼女の日本語はまだまだだな」とのコトだが、気を悪くしたとしたら申し訳ない。(でも扇子は返ってこなかったけど)

二次会

 23:00。タクシーでホテルに戻り2次会へ。2次会は我々のホテルでやるので移動が楽でよい。
 スーツは堅苦しいので普段着に着替える。まるで売春ツアーの日本人みたいだ。そしてホテルの日本式カラオケに行く。

 既に竹村の会社の後輩が準備万端整えてくれていた。若い中国人女性がずらーっと並び、好みのコを選び放題。
 とはいえ、俺は今まで日本でもこの手の店に入ったことが殆どないため、最初はモジ男クンで通していたが、やはり竹村の後輩が一生懸命セッティングしてくれた場である。楽しまなければ失礼にあたる。ってゆーか、むしろ、言葉が通じないくらいがちょうどいい気がしてきた。言葉が通じなければ身体を使うしかないじゃないか。どんどん触ったれと。

 その後は・・・酔ったのもあるけど、とにかくマジメな吉田から白い目で見られつつ、雅夫にはネタにされつつ、中国のコには「スケベ!」と言われつつ(ちょっとお触りすぎたか?)、盛り上げに徹する。カラオケも定番の「浪漫飛行」で肩組んで歌う。あぁ、神経磨り減るわい。

 1:00(現地時間24:00)、新郎の竹村が退店。
 奥さんも待ってるし、あまり遊んではいられないでしょう。
 帰り際にお返しのマジックで一気飲みさせてやるつもりだったが、後輩たちがやってくれたので言う事ナシ。

 1:30頃、彼らも朝から仕事があるというので一旦お開きとなった。
 しかし、後輩が言うに
 「みなさんはまだ遊んで行かれて大丈夫です。お金はすべて払ってあります。ここは時間制限ナシです
とありがたいお言葉。

 ここまでセッティングされて「いや、もういいですわ」とは言えぬ。この気持ちは汲んであげないと。
 「では1時間くらいやっちゃいますか!」
と仲間を鼓舞。なにせ後輩からは「気に入ったコがいれば500~800元でお持ち帰りOKです」と聞かされている。なんだか、女のコの言葉が全部「Chin'chin',Qui,Tai,Wa」と聞こえてきたから不思議。彼女らもどんどん身体を密着させてきた。何かにつけて太腿を露にしたり。吉田のヤツもいつの間にか肩に手を回してベッタリ。どのコも明らかにお持ち帰り志望ってカンジ。こりゃもう盛り上がらないわけがないですな。
 別れの歌も解禁して歌いまくれ!と言ったら、宮島クンのヤツ、誰も知らん昔の歌を歌い出す。盛り下げるわけにもいかないんで、リズムに合わせて両手を振って踊る。桃色珊瑚も楽じゃないよね。
 2:30、お開き。あぁ、遊んだ。女? 持ち帰るわけないだろ、いくら部屋がWベットで枕が4つあってもな。

按摩3

 で、勢い余ってまた按摩70分。でもさすがに遊び疲れた。按摩の最中で寝てしまった。もうフラフラ・・・。今日も4:00就寝(現地時間3:00)。

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