Dr.Magieの中国日記

11月21日(金)

Magieの出会い


さてさて、お久しぶり。日記の再開です。




最近、仕事がうまくいかずストレスが貯まる一方。
オッサンくさくなってきたと自覚してきた今日この頃。
明日は日曜日。仕事の憂さ晴らしに先週行きそびれたマカオに行くことにする。




そう決めていたら何故か機械が故障して土曜日なのに夜8時まで残業・・・・トホホ・・・・
ちなみに珠海(マカオの隣にある中国本土の都市)行きのバスは夜9時までである。
間に合うかどうか分からなかったが急いでバスステーションに向かう。最終バスに間に合う。あと5分遅かったらやばかった。
これは、幸先がいい、マカオでも勝てるかな?




バスに乗り、2時間で珠海へ。ここは知る人ぞ知る、9月に日本人が集団売春をしたことで一躍有名になった都市である。
実をいうと経済特区に指定され中国でもここ数年急成長している有数の工業都市でもあるのだが、
集団売春のイメージが強すぎて日本ではあまりいいイメージがもたれていないようだ。
まあ、確かに日本人が珠海に遊びに行くということは「ゴルフ、女」この二つのどちらかである。他でわざわざ珠海に行く必要はない。




珠海のバスステーションからマカオのイミグレーションまで歩いて5分もかからない。
すぐにイミグレーションを通り抜けマカオに入国。すぐさま、リスボアホテルに向かう。
(東洋一、大きいカジノを所有しているホテル)




11時半頃から博打スタート。途中、按摩で休憩などしながら朝4時半まで遊ぶ。
結果、プラスマイナス0。
まあ、5時間無料(タダ)で遊んだと思えば勝ったと思っても差し支えないだろう。




さて、さすがに徹夜で遊ぶと疲れてくる。安ホテルをいろいろと探してみたが全部満室。空いているのは高級ホテルのみ。
ここで、博打に勝っていれば泊まっても構わないのだが・・・
考慮の結果、朝7時まで観光してそれから、珠海に出てバスに乗って帰ることにする。




まず、行き先を聖ポール天主堂跡(マカオで一番有名な観光地)に決め、カジノを出て歩いて向かう。
それにしても暗い。朝5時なのだからもう少し明るくてもいいのだろうと、思うのだがひたすら暗い。
その暗さのせいか単に不慣れな土地のせいか分からないがいきなり道に迷ってしまった。




ウーム、どうしても観光しなくてはいけない理由もないし諦めてタクシーでサウナでも行って時間を潰そうかと思ったりもしたのだが、
このままでは何かに負けた気分になってしまうので(何に負けるのかは不明)意地でも探す。




朝5時半、ようやく目的地の聖ポール天主堂跡に到着。まだ暗い。
周りには何人か早朝散歩のお年寄りだかいるくらいで観光客なんて・・・




あれ、どう見ても観光客風な女の人が一人いる?
自分のことを棚にあげてこんな時間に観光なんて変な奴もいるものだと思う。




 まあ、せっかく来たのだからとデジカメで写真を撮っていると




「そのデジカメいいね」
と、いきなり声をかけられる。???
振り向くと先ほどの観光客風の女性である。





「まあね、日本製だよ。こうやると夜景も綺麗に撮れるのさ。」
と、適当に話しながら「こいつ、何者?」と、頭の中で考える。





少し会話しているとこちらの中国語の発音や聞き取れない単語が多いため、早々に外国人だとばれてしまう。




 会話中にカジノで負けたことを話してくれたのでホテルに泊まる金もすってしまった観光客かと納得する。
「一人より二人の方が観光は楽しい。」
と、僕に話しかけたらしい。正直、何か怪しいとは思ったのだがそれより好奇心の方が勝ってしまい一緒に観光することにする。





二人してまだ薄暗い中をブラブラ観光しながらお互いのことを話してみる。
僕が日本人でマカオには観光しにきたと話し、あなたもかと訪ねると、















「マカオには会社を開きに来た。」
とのお答え。





何で、会社を開きに来た人がカジノで負けてこの辺をうろついているんだ?と、不思議に思って聞いてみると・・・















マカオで会社を開いたのだが使用人に金を持ち逃げされどうしようもなくなり、
私物を全て質に入れ、その全額をかけて博打をしたのだが、
その金も全部呑まれて帰る家もなく
今着ている服と鞄が全財産という状況であることが判明。















ウーム、なんと言って良いのやら・・・・・
今まで会ったことがないタイプの人だな・・・・
と、いうか、映画に出てくる人みたいな人生送っているな・・・





彼女は、今日これからどうやって生きていけばいいのか途方にくれてしまって
一人でいると自殺でもしかねないので僕に声を掛けたのだな・・・
と、予想する。










これは、変なことを考えないように予防線を張っておこうと思い、田舎の両親の話をすることにする。





「お父さんや、お母さんは元気なの?」










「天国に行っちゃった。」
「・・・・・・」
まずい!










「兄弟はいないの?」










「いない。私も天国に行こうかな?」
「・・・・・・」
やばい、逆効果だ!





まあ、何とかなだめすかして国境を越えて珠海に戻る。










そこで、朝食をとろうと言う話になり近くで粥を食べる。
その時、その粥屋の店のおばちゃんが僕に「あなたはこの娘のいい人なの?」と、いきなり質問。何故?





咄嗟に「ヒ・ミ・ツ♪」と、わけの分からない答えを言ったがどうやら珠海の街には知り合いが多いようである。





朝食後、お互いに24時間以上寝ていない為、仮眠。
目を覚ましてから、二人してブラブラ街を散歩。
昼食で入った飯屋にて又も知り合いの店。(と、いうか店を出すのにいろいろ咬んでいたらしい。)





ご飯を食べながらいろいろ話したが中国人でパスポートを自力で取っていて(通常の人はまず無理。)、
更に自分の会社を開く際には資金を75万円、自力で調達したという。
(普通のワーカーだと月給1万円くらい。)
しかも、何故か携帯2台待っている。





何でこんな人が 今現在、無一文なんだ? うーん、人生とは奥が深いものだ。




とりあえず、しばらくの生活費を貸して、お互いの連絡先を教えて別れる。
今まで間違いメールがきっかけとか、
街角で手品を披露していたのがきっかけなど
様々な出会いがあったけど今回は特別に面白い。





たとえ、騙されたとしても仕方がない。
まあ、騙しようにも僕があの時間にあの場所にいたこと自体がまず予測不可能なことなのだから、ないとは思うけど・・・・





ってな訳でまた訳の分からない人を知り合ってしまった僕。





今回の出会いは特に今後の人生を変えるような予感がする。
さてさて、どのようになることやら。ちょいと楽しみな今日この頃である。

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